ナインソウルズ

9 souls

相変わらずこの監督はサクサク行くなぁ。脱獄の苦労もあったもんじゃないよ。まぁメインはその後だから、このくらい展開速い方が気持ちいいです。9人で行動してるとこは、「オマエら逃げる気あんのか!」って感じですげぇ面白い。あの図々しさ。9人の個性もバラバラで良かったんだけど、マメ山田はやっぱり劇場でもかなりウケてましたね。それと、9人以外にも割と名の知れたキャストを贅沢に使ってて、ミニシアター系にしてはがんばってるなぁと思いました。そんなわけで、前半は個々の性格や環境、犯罪が少しずつ明らかになっていって、説明不足な点もありましたが、なんとか想像でカバーして楽しめました。ただ後半もそのペースで行かれると、さすがに説明不足もカバーできなくなる。特にジュニアの最期はアッサリしすぎていて、過去との因果関係がハッキリしなかったのが残念。だいたい脱獄犯なんてシャバでまともな暮らしなどできるわけがないと思いつつも、その中で人生のケジメをつけようとあがいて、散る。その辺の儚さは感じることができたし、表現できていたと思う。松田龍平は「青い春」同様、やはりあの冷めた眼つきから暴走に至る感じが良かったが、ラストシーンの無理から希望に結びつける様が気に食わなかった。