たそがれ清兵衛

たそがれ清兵衛

早くも地上波で放送しましたね。ご存知、トワイライトサムライ。ラストサムライを剛とするならば、まさに柔のサムライ映画です。両方に出演している真田広之の演技も対照的。
これは終始ダルかったですねぇ。1人の武士の生活が淡々と描かれているだけでメリハリがあまり無い。唯一盛り上がるのも果し合いの場面だけでしょう。でも、ラスト数分でなんか「いいなぁ」と思わせる。「貧しくも幸せだった」という岸恵子の語りによって、清兵衛の人生が平穏に締めくくられ、内面でくすぶっていたモノが拡散、消化し、じわじわと染み入ってきました。特に感動はしませんでしたが、見終わってこんなにすがすがしい気分になった映画は久しぶりです。また、ラストシーンからエンドロールにわたって流れる井上陽水の「決められたリズム」が非常に心地良い。ただ、少し不満を言わせてもらうとちょっと長い。あと、このDVDのジャケットは何か違うと思います。
それにしても、こういった映画が外国の、それもアカデミー賞なんぞにノミネートされるなんて意外ですね。外国人には理解できんだろうと思いましたが、よほど英訳が上手かったんでしょう。