ラストサムライ

LAST SAMURAI

前評判がかなり良くて個人的にはクサす側に回りたかったんですが、なんだかんだで楽しめてしまいました。普段その欠片も見せないナショナリズムやらが都合よく沸いて出て、日本に魅せられていくトムクルーズを見ながら「そうだろ、日本はすげぇだろ」と、皮肉にも外国に作られたスクリーンの日本を見ながら思っていました。日本人としてこういう映画を外国に作られるってのはちょっと悔しかったんですが、まぁ外から改めて見える姿というのもあるでしょうから、文句はありません。細かい事言い出したらキリがないんですが、あまりひねくれて見ては面白くありませんし。
普通にいつもテレビで見てる役者がこういう映画に出てるってのは、やっぱり嬉しいもんですね。演技もなかなか素晴らしかったと思います。渡辺謙の迫力にはテンション上がりましたし、特に最期に見せた目の血走り加減は凄かったですよ。切られ役ウン十年の福本清三も地味ながらいい役どころを演じていました。
ハリウッド映画で好演する渡辺謙だとか、刀の腕を上げていくトムクルーズだとか、何か違う畑で活躍するというのは面白いというか、ツボですね。映画に限らず。極端な話をすると、モーニング娘。SMAPのライブで踊るナイナイ岡村を見てる楽しさと同じです。どこかワクワクしてしまうような。そういった設定の面白さもありましたね。
ただ、ラストは少しダラダラしてました。あの数十分はいらないんじゃないかなぁ。上映時間も長いし、オチがどうこうっていう映画でもない。この辺は個人差あると思いますが、私ならバッサリ切ります。まぁこの手の映画によくあるアメリカ万歳で終わらなかったところは良かったと思います。
この映画も後々DVDが出たりテレビで放映されたりすると思いますが、その時は劇場で燃えたあの特攻感が伝わるかというのが気がかりですね。やっぱり感じ方の違いは出てくるでしょう。なんか毎回こんなこと書いてる気がしますが、劇場で見るに越した事はないんですよ。当たり前なんだけど。でも、その分クソ映画に出会った時の悔しさったらないわけで、それが腰を重くする原因でもあります。しかし、よく考えたら今はコッポラとかキューブリックとか、そういう古い作品は全部ビデオやらDVDでしか見れない世代なんですよね。もう劇場で見たらたまらんかっただろうなぁと思います。要は見れるモンは見とけということです。