TRICK -劇場版-

TRICK -劇場版-

ちょっと肩透かしかなぁ。確かに面白いんだけど、やっぱテレビ的です。『踊る』なんかもそうだけど、これはテレビの2時間スペシャルでも厳しいかもしれない。小ネタが続くばかりで2時間耐えられるモノがなかったですね。ひとつの村の出来事としてまとめているのはわかるんですが、今回は教祖みたいな存在がいなかったので、全体的に実はまとまってない気がします。あの霊媒師のオバハンは何だったんでしょう?あの人が裏で村を操ってたり、何か秘密を握ってる感じだったのに、結局最後までよくわからない。たいしてオモロイ事もしてないですしね。必要だったんでしょうか。
だいたいのトリックはすぐ説明が入るんですが、あの切り株の文字はかなり気になりましたね。ビデオ止めて考えてしまいました。最後まで引っ張りたい気持ちはわかるけど、これは少し損してますよ。その後のシーンを客は集中して見られないですから。どんなすごい事をしてても文字が気になってしょうがない。まぁ数分ですけどね。映画館で見てたらどうかわかりませんが。これはトリックの性です。
あと気になったのは、山田が洞窟内で後ろから襲われるシーン。あれって眠らせる必要あるんですかね。どっかにつれていくわけでもないですし。ホントしょーもない事なんですが、気になりました。あの亀に糸を巻きつけるネタだって実際上手くいくかなぁとかそんなことばっかり考えてましたよ。
堤さんのやり方は他の作品にはない面白さがあって、編集にも力入れてるのは見ててわかるんだけど、正直アレに2時間付き合うのはキツイです。あの人ってどっちかっつーと短距離走者でしょ。サクサク見せる。何本か映画も撮ってるみたいだけど、そういう気質の人ではないんじゃないかなぁ。ドラマとかショートフィルムとか、もっと遊べるフィールドで楽しませて欲しいと思いますね。もっとも、これは私がこれまで見てきた堤作品を通しての見解ですけど。
お約束のネタがちゃんと入ってたところは良かったです。矢部の細かい髪イジリとか上田の通信教育仕込みの空手(強すぎ!)にデクノボウぶり。ただ、これはやっぱり脚本がマズいですね。この映画の制作陣にそっくりそのまま言い返してやりたい。
なぜベストを尽くさないのか!!