π(パイ)

これはミニシアター系ですね。なんか目が合ってしまったので借りてしまいました。良かったですよコレ。オープニングからすごい引き付けられたし。この映画モノクロなんですけど、それがカラー映像よりもこの場合は逆に表現領域が広がっていると思います。カラーだとおもしろくないですね。なんていうか、太陽を感じたくないんです。それにモノクロは白か黒で、コンピュータは1と0の世界ですよね。あ、書き忘れたけどこれは数学の話ですから。だから、モノクロでいいんですよ。あと、πのループとかθの螺旋っていう意味では、音楽もブレイクビーツを使用していて面白いと思います。リズム感と抑揚があってテンポよく見れますね。無駄がない。90分弱だし。で、話の内容としては、意味不明な所もありますが、これはアリなんです。天才の壊れ方というか、幻覚っていうのを表現したかったんでしょう。数学面にしても、フィボナッチとかユークリッドとか出てきて、どこまで本当かはわかりませんが、なんとなく納得させられてしまうんです。私は天才でもキチガイでもありませんが、スッと主人公に感情移入できました。ああいう気持ちはわかります。誰にも会いたくなくなったりとか、数字に囲まれると何か破壊したくなるときありますからね。妄想に逃げてしまったり。それがわからない人の感想は、『なんとなくカッコイイ』か『クソつまんねぇ』のどっちかでしょうね。自信を持ってオススメできるほど面白いとは言えないけど、それでもそんな感想だけで終わらせたくない気もします。なかなか見る価値はあったと思います。ラストは螺旋のドリルで頭をブチ抜くってのがまたいろんな意味合いを感じさせますが、あれ?これで終わりなの?って感じもしました。でも、どういう終わり方なら納得するかと考えてもちょっとわかりません。もともとストーリーがイカれてますから。でも、監督はきっと頭のいい人ですよ。でなきゃこんな作品は作れないし、作ろうとも思わないでしょう。この監督は今後が楽しみですね。
マズい、映画日記になってきた、、、。