非・バランス

非・バランス

この映画に関するメールをいただきまして、タイミング良くテレビで放送していたので見てみました。
技術的にも大した事してないし、すごい盛り上がるシーンとかもそんなにないんだけど、退屈しませんでした。むしろもっと長くてもいいと思いましたよ。ストーリーに入り込めたんでしょうか。悪く言ってしまえば『青い』映画なんだろうけど、やっぱ好きなんですね。こういうのが。普通じゃ体験できないような内容(非現実的ではない)で、そこに一種の憧れを感じてしまったり、悔しかったり、心地よかったり。
この作品はとても純粋に出来てると思います。避けたくなるぐらいストレート。ちょっと自己嫌悪になりました。これオカマが出てくるんですけど、オカマの人って普通の人より繊細だったりするじゃないですか。少なくとも私のイメージではそうなんです。感情豊かというか。映画全体としても、その人生開き直ってる感じが、より哀しさを見せて、より楽しさを見せて、伝えてくるんですよ。そこはちょっとたまらんかったですね。
海のラストシーンは好きです。友達を作った主人公が自分の思い出をその子と共有して、そのきっかけを作った存在が消える。思い出を残して。っていう。作品をすごく大切に閉めようとしてるのがわかります。名作とは言わないけど、なんかこういうのはクサせないですね。
ただ、これDVDジャケットの画像見たら、タイトルの上に「ジンセイは傷ついたもん勝ち!」とか書いてあるんですよ。このキャッチコピーは違うんじゃないかなと思うんですけどねぇ。ちょっと鼻につきます。