es [エス]

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1971年にドイツのスタンフォード大学で実際に行われた心理実験の映像化。実験は被験者24人が看守役と囚人役に分かれて2週間それを演じきるというもの。
ものすげぇへヴィーですよ、コレ。こんな実験が行われた事自体ヤバイけど、各自の状況下で簡単に変わっていく精神状態がハンパじゃない。ノンフィクションだけどマジかよ!って感じ。何より殺人まで起こしたこの被験者たちが、キチガイでもなんでもなくて普通の一般人だったってのがリアルな恐怖を感じさせる。誰でもそういう素質があるっていう証拠を見せつけられたような。もう囚人に感情移入しようもんなら最悪ですね。看守マジ怖ぇよ!!仮設刑務所内に響き渡る音楽も、明るいんだけど狂気溢れまくり。またドイツ語で怒鳴られると余計怖いんだよな、響きが攻撃的で。あと、やっぱドイツだからどこかナチスを彷彿させるとこがありますね。
この映画、制作側はかなり楽しかったんじゃないですか?不謹慎だけど素材だけでかなり面白いですからね。企画が通ったらまずガッツポーズでしょう。かと言って映像は素材に甘えず、見せるとこはちゃんと見せてると思います。閉塞感とか囚人・看守の心理状態とか。まぁ裁判がまだ続いてるからアメリカでは放映禁止らしいんですけど。
ハッキリ言って後味は悪いです。主人公と女性の絡みはいらねぇかなと思ったけど、ああいう息抜きがないとツライですよ。でも、見る価値はあると思います。